2014年5月24日土曜日

リーダーの条件 〜 劉邦を参考に


歴史上の人物をWebで検索し、ネットサーフィン(死語?)することが私の暇つぶし方法です。
(たまに、買い物中や食事中も波に乗ってしまい、妻から怒られますが・・・)

今回、「張良」という人物について調べてみました。
張良とは、「項羽と劉邦」を読まれた方には、多く語ることも必要の無いですが、
ご存知無い方のために、少しだけ説明させていただきます。
※ご存知の方は、以下の節は読み飛ばしてください。

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張良は、前漢を築いた「劉邦」に使えた将であり、今で言う「軍師」に相当する人です。
元々は、韓という国に仕えており、客将として劉邦の元で働いていましたが、
韓が楚に滅ぼされたのを機に劉邦の正式な武将となります。
当時、劉邦は楚(項羽)と天下を巡って戦っていましが、天下の形勢は圧倒的に楚が有利であり、
劉邦は劣勢に立たされておりました。
そんな形勢の中、劉邦を漢中に留め漢の体力作りを提言したり、「韓信」を推挙したり、
計略を授けたりと多方面で劉邦を支えます。
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張良は、後世の人物の誰が評価しても、漢の建国に多大な力を発揮した人であり、
張良抜きでは劉邦は生きておらず、天下は楚のものになっていたに違いありません。

さて、そんな張良が自国滅亡後、生涯を捧げた「劉邦」とは、どんな君主だったのでしょうか?

ここでは「劉邦」のリーダー像を探ってみたいと思います。

劉邦のリーダー像を端的に表すことが出来る会話があります。
それは、張良と並ぶ漢の三英傑の一人「韓信」が謀反の疑いをかけられ、
劉邦に捉えられたとき、劉邦と韓信が交わした会話の中に垣間見えます。

劉邦「お前はどれだけの兵を率いることが出来るのだ?」
韓信「どれだけでも可能です。」
劉邦「では、朕はどれだけだ?」
韓信「せいぜい、10万でしょう。」
劉邦「(笑)。では、なぜ、今、お前は朕に捕まっている?」
韓信「私は兵を動かすことはできますが、閣下は将を動かせます」

この会話が意味することは、とても大切だと考えます。
要するに、劉邦は張良や韓信、陳平(漢の三英傑の一人)などの、優秀な家臣を見事に
使いこなして、天下を取りました
劉邦一人では何もできなかったのですが、家臣団をとりまとめて、劉邦の思い描く未来に
向かって家臣団を導いたとも言えるでしょう。
ここがとても大切な要素だと考えています。

では、なぜ、これほどの優秀な人材が劉邦の元に集まったのか?単なる人徳ではない、
何かがあります。
これは次回、検証してみたいと思います。

<張良マンボウさん>



2014年5月16日金曜日

黒田官兵衛〜死を必すれば即ち生き

「凡(およ)そ兵戦の場は
 屍(しかばね)を止むるの地
 死を必すれば即ち生き
 生を幸いとすれば即ち死す」

毛利勢に攻められ、孤立している上月城に、援軍を出せないと分かった
官兵衛が決死の覚悟で、その旨を上月城に伝えに行く際に、詠んだ句です。

意訳すると、
戦場とはそもそもが死体を晒すものなので、そこに赴く者は死を覚悟しなさい。
そうすれば生き残る道もあるだろう。
逆に死を怖れて、生きようと思えば、その為に死んでしまう。

現代、日本人が戦場に行くことはほとんどとなく、生死の話ではなかなか
実感し難いですが、もう少しブレークダウンして考えると、
意外にもこの言葉は身近に存在します。

例えば、
・嫌々買い物に行ったら、買い忘れた。
・めんどくさいと思いながら仕事をやっていたら、重大なミスを犯した。
などです。

嫌々な気分やめんどくさがって物事をやってといると、負の力が必ず働きます。
注意力が散漫になったり、手を抜こうとして痛い目に合ってしまいます。
そして、その失敗のリカバーの為に、当初以上の労力を割くことになる…(笑)
私にはこのような経験は山ほどあります。
皆さんの記憶にもこの様な経験はあるのではないでしょうか。

冒頭の孫子の言葉は、「覚悟を決めることの大切さ」も伝えています。
そもそも戦場に行くことは死ぬことであり、ならば覚悟を決めて戦いなさい。
そうすれば、その覚悟のおかげで生き残ることができる。

京セラや第二電電(現KDDI)の創業者であり、JALを再生させた稲盛和夫氏も
「自分が置かれたその状況に、全身全霊で取り掛かれば、また道が拓ける。
 その覚悟が道を切り拓いてくれる。」
言っています。

禅の修行僧、雲水の修行は、ただ黙々と仕事をこなすというものがあります。
掃除や炊事が有名です。
これも同じだと言われています。
ただ一心に仕事をする。
そうすれば、何かが得られる。

今の時代は、仕事をしなくても生きていける時代となりました。
昔は就職したら、ひたすら会社に尽くすことで、生き方など考えなくても良かった。
会社が終身保証してくれたから。
だけど、現代、保証はないし、保証されてもそれでは満足しない人が増えている。
生き方の多様化です。
私もその一人ですが、自分が何に満足するか、自己中心ではないく、
社会との接点を持った上で、そういう生き方を望む人が増えてきました。

何を人生も命題にしてもいい。
但し、一度生き方を決めたら、それに突き進む。だからこそ成功する。
他の可能性を残して行うと、失敗する。

「死を必すれば即ち生き、生を幸いとすれば即ち死す」
です。

【官兵衛マンボウさん】